本業の合間を縫ってお金を稼ぐ副業にも様々な種類がありますが、その中でも「せどり」と呼ばれる副業は、多くの人から人気なものの一つです。
ここでは、せどりの概要や注意点、メリットやデメリットなどについて詳しく解説します。
せどりってどういう副業?
せどりとは簡単に言うと、色々なものを安く仕入れ、それを高く売ることでその差額を利益として得るビジネスです。
いわば転売の一種と言えるでしょう。
「せどり」という独特の名前は元は古本の売買から来ており、せどり自体も本に関わる人のみをさす言葉でしたが、現在では転売も一般的になり、ゲームやブランド品、家電など幅広く扱う人も増えてきたため、それらもあわせて「せどり」と呼ばれることもあります。
また元は古本の売買であったことから、店舗に実際に足を運んで高く売れそうなものを吟味していくという「店舗せどり」が一般的でしたが、近年ではネットの普及やフリマアプリなどの浸透により、ネットのみで売買を行う「電脳せどり」と呼ばれる手法も多くなっています。
せどりの具体的な流れ
1:仕入れるジャンル・商品を決める
まずは仕入れるジャンルや商品を決めます。
基本的には自分が詳しい、得意なジャンルのほうが相場や入手方法などもわかりやすいのでおすすめです。
買いやすく、売れそうなジャンルや商品を見つけたら、そこから少しずつ絞っていきます。
2:仕入れ先を探索する
特別なコネなどがない場合には、仕入れ先は基本的にリサイクルショップなどの店舗や、フリマサイトなどになります。
種類や品数は企業や店舗などが豊富ですが、あまり詳しくない人が出品しているフリマサイトに掘り出し物が見つかることもあります。
3:仕入れる
商品と仕入れ先が決まったら、実際に商品を仕入れます。
ここで気を付けたいのは、実際に儲けが出そうな価格で仕入れられるかどうか。
売るつもりの価格と合わせて相場をしっかりと調べておくことが大切です。
4:仕入れた物を販売する
最後は仕入れた商品を売ります。
店舗せどりであればリサイクルショップなどに商品を持ち込み、電脳せどりであればフリマサイトに出品します。
他の売り出されている同様の商品を見ながら、適正な価格を設定するのがポイントです。
せどりのメリットは?
初期費用があまりかからない
せどりは商売の一種ですが、基本的には店舗などを構えるわけではないので、店を開くのに必要な改装や家賃などの費用は一切必要ありません。
自分自身の手で商品を安く買い、高く売るだけなので、必要なのは仕入れのための資金のみです。
その購入資金の大きさによって売り上げもも変わってきますが、少額からでも始めることは十分可能です。
場所や時間に縛られずにできる
せどりの中でも特に、仕入れも販売もネットを介して行う電脳せどりであれば、自分に余裕のあるスキマ時間で十分に運用することができます。
これがたとえば店舗などであれば開店している間は拘束されますし、店舗を渡り歩くせどりであればそれなりの時間を作らなければなりませんが、フリマサイトなどに出品しておけば買う側は自由に見て好きな時に買うだけなので、接客などの必要もなく効率的に売買ができます。
パソコンやスマホとネット環境があれば始められる
電脳せどりを始めるには、ネット環境と、それにアクセスできるパソコンがスマホがあれば十分です。
小遣い稼ぎとして簡単にやっているタイプならば、スマホだけで十分に成り立っている人も多いでしょう。
場所や時間に囚われず、道具もそれほど必要ないというのはせどりを副業として考えた時に大きなメリットだと言えます。
せどりのデメリットとは?
仕入れに手間がかかることも
せどりは物を安く仕入れて高く売ることで利益を得るビジネスです。
そのためにまずは売れそうなものを安く仕入れる必要があります。
言うだけならば簡単ですが、ほとんどのお店では適正な価格で売られているので、その中で掘り出し物や、これから高く売れそうなものを見つける嗅覚も必要になります。
また購入相手とのやり取りや、配送の手間といったものも考えなければなりません。
在庫のリスクがある
物を売るということは、その物は自分の手元になければなりません。
しかしそれがもしも売れなかったとしたら、物はそのまま無駄になってしまいますよね。
こうしたリスクを在庫リスクと言います。
商売としてはできるだけ商品が多いほうが利益も大きくなりますが、商品が多いほど在庫のリスクは高まっていきます。
そのリスクと利益との間でどうバランスを取るか考えることも大切です。
競合相手が多い
ここまでも触れてきたように、せどりはうまくできればかなり楽に儲けられる副業です。
しかしそれだけ魅力的ということは、当然参入する人も多いわけです。
実際、現在「儲かる」と言われる業界でのせどりは飽和状態とも言われ、価格競争も激しく、あまりおいしいものでは無くなっています。
ライバルたちを出し抜けるだけの何かを持っていないと、生き残りが難しくなる可能性もあります。
せどりをはじめる時のポイント
商品選びは丁寧に考える
先ほども説明したように、せどり人口は現在ではかなり多くなっており、誰もが思いつくことは既に他の誰かがやっていると考えたほうが良い状況です。
なので単純に「売れそう」というカンだけで安易に仕入れをしてしまうのではなく、自分の趣味で詳しかったり得意なジャンルで、どれくらいの需要があるかなど、感覚的に理解しやすいものから始めるのがおすすめです。
在庫リスクはなるべく減らす
売れると思ってたくさん仕入れても、売れない時にはそれが全部、そのまま何の価値もないものとなってしまいます。
購入のための資金が無駄になるので、言ってしまえばそれは借金と同じようなものでしょう。
在庫を多く抱えるのは、ある程度慣れて売るための勘が働くようになってからのほうが無難です。
まずはできるだけ在庫を抱えない状況からはじめてみるのがよいでしょう。
販売戦略を立てておく
はじめは素人とは言っても、商売である以上は販売戦略が欠かせません。
まずどのジャンルを狙うか。
そしてそこではどういった商品が人気で、相場はどのくらいが妥当か。
そういったリサーチから始まり、在庫をどのくらい抱えるリスクが許容できるか、週や月にどれくらいの売り上げが見込めるかなどの計算をしておくことで、きちんと収支や商売としての効率を把握できるようになります。
せどりするときは法律違反にならないように注意!
転売規制
現在、ニュースなどでも見聞きすることは多いと思いますが、極端な転売をする人たちなどが周囲や業界に迷惑をかけているとして問題として、社会的な問題となりつつあります。
これを受けて、たとえばチケットなどでは「チケット不正転売禁止法」という法律があり、転売は禁止されています。
また法律以外でもAmazonやメルカリなど、あるいは商品の販売元では、いわゆる転売ヤーを横行させないための様々な規制があります。
そうしたルールに抵触しないよう気を付けましょう。
不当表示について
不当表示とは、商品の説明が実際のものと著しく異なっていることを言います。
たとえば実際には2、3回で壊れてしまうようなものを何回も使えると言ったり、産地を本来のものと偽ったりすることも不当表示にあたるでしょう。
できるだけ売りたいという気持ちから説明が大げさになってしまうこともあるかもしれませんが、不当表示はれっきとした法律違反で、場合によっては罰せられることもあるので気を付けましょう。
景品表示法に注意
こうした不当表示は、大きく「不当景品類及び不当表示防止法」という法律によって定められています。
これは消費者に過大な不利益を与えないための法律で、商品の表示に関して嘘がないよう厳しく定められています。
仮にせどりを個人の売買として行っているものだとしても、買う側に大きな不利益があり、それが誇張された表現によるものであれば取り締まりの対象となる可能性もないとは言えません。
まとめ
せどりは初期費用が少なく、特別なスキルがなくてもはじめられる魅力的なビジネスです。
在庫リスクや法律違反などに注意しながら、自分でもやれそうと思った方はまずリサーチからはじめてみるのも良いのではないでしょうか。
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